Watches & Wonders 2024 のベストリリースを把握せよ
パテック フィリップ、ロレックス、カルティエ、A. ランゲ&ゾーネ、エルメスの押さえておくべき新作ウォッチは?
4月9日から15日まで開催された2024年の「Watches and Wonders Genova(ウォッチズ アンド ワンダース ジュネーブ)」。スイス・ジュネーブにある大型展示場パレクスポ内の7つのホールにて、合計54もの時計メゾンが結集し、それぞれが最新の腕時計を発表し、無事に閉幕した。『Hypebeast』では、百花繚乱の新作時計のなかで注目すべきモデルを〈Cartier(カルティエ)〉、〈Rolex(ロレックス)〉、〈Patek Philippe(パテック フィリップ)〉、〈Hermès(エルメス)〉、〈A. Lange & Söhne(A. ランゲ&ゾーネ)〉からピックアップ。機械式時計ヘッズは、たとえ忙しくとも、これら5ブランドの新しい名作だけはウォッチしておこう。
Cartier Privé Tortue Monopoussoir Chronograph
「Cartier Privè(カルティエ プリヴェ)」コレクションの第8弾として、最も古いフォルムのひとつであるTortue(トーチュ)をよみがえらせた。シンプルな2針モデルと、クロノグラフモデルがラインナップするが、より注目はクロノグラフのほう。タンクでもサントスでもない、トーチュ独特の優美なデザインコードと本質を守りながら、粋な“手巻き”クロノグラフムーブメントCal.1928MCでアップデートしている。
2024年版トーチュのクロノグラフのケースサイズは、縦43.7mm、横34.8mm、厚さ10.2mm。心臓部となるCal.1928MCは、毎時最大28,800回の振動と44時間のパワーリザーブを実現している。バーガンディレッドのアリゲーターストラップを備えたプラチナバージョンは897万6000円(税込)で、ダークブルーのストラップを備えたイエローゴールドバージョンは778万8000円(税込)。どちらも、シリアルナンバー付きの200個限定で2024年10月発売予定。
Rolex GMT-Master II
〈Rolex〉の2024年新作ラインナップの中で、GMT-MasterⅡ(GMTマスターⅡ)が最注目であることに異論はあるまい。新作群唯一のオイスタースチールで、グレーとブラックのベゼルは控えめな美学が効いている。黒ダイヤル上の針とインデックスは白で視認性も抜群。そして、GMT針は2019年ぶりのグリーン。
ムーブメントは機械式で自動巻きの自社製「キャリバー3285」。パワーリザーブは約70時間。振動数は28,800振動/時。石数は31石。ケースサイズは40mmで、気になる価格は、3連リンクのオイスターブレスレットタイプが154万円、5連リンクのジュビリーブレスレットタイプは156万9700円。定価で買えるならどちらも大おすすめだが、よりカジュアル&スポーティに攻めるならオイスターブレスレットを、少しドレッシー&クラシックを求めるならジュリビーブレスレットだろう。
「Watches & Wonders 2024」 における〈Rolex〉の他のラインナップについては、こちらでご確認を!
Patek Philippe Grand Complications In-Line Perpetual Calendar Ref. 5236P
今期の〈Patek Philippe〉は全部目玉に思えるが、ここでは、Ref.5236のGrand Complications(グランド・コンプリケーション)をいちばんの注目と考える。ホワイトゴールドではなく、無垢のプラチナケースに埋め込まれたのは、ローズゴールド・オパーリン文字盤という絶妙な色合いのそれ。新作にしてヴィンテージのオーラが万歳である。
曜日・日付・月は12時位置の大型表示窓に並べて表示されており、2つの丸い表示窓は閏年サイクルと昼夜を示している。そしてムーンフェイズ表示もさりげなく主張する雰囲気で存在する。心臓部の31‑260 PS QLという自動巻きキャリパーはこれまた美しく、裏透け仕様で確認することができる。最後に、6時位置のケース部分に着目を。なんとダイヤモンドが一粒セッティングされていて、静かにロマンティックである。ちなみに価格は2,132万円。押忍。
Hermès Arceau Duc Attelé
3軸トゥールビヨンとミニッツリピーターという超複雑機構のふたつを、“洗練”の枠の中で併載した新モデルArceau Duc Attelé(アルソー デュック アトレ)。本気になった〈Hermès〉のラグジュアリーっぷりは腕時計でも半端ない。6時位置の2頭の馬は、ミニッツリピーターにおけるゴングの役割を果たし、ブリッジを叩いて大聖堂のようなチャイムを鳴らすのである。この大作は世界限定24本。予価6288万7000円。
A. Lange & Söhne Datograph Perpetual Tourbillon Honeygold “Lumen”
最後に押さえておくべき!とリコメンドするのは〈A. Lange & Söhne〉のDatograph Perpetual Tourbillon Honeygold “Lumen”(ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”)だ。パーペチュアルカレンダー、フライバック・クロノグラフ、トゥールビヨンなどの複雑機構が、“ハニーゴールド”と名付けられた独特の金色ケースに搭載されている。これらをクラシックな雰囲気でまとめているのが白眉の出来。そして、さらにすごいのが夜での視認性。文字盤全体にも夜光塗料が塗布されており、夜間は全体がうっすらとグリーンに輝き、たとえ暗闇であっても日付の切り替え機能を確認することができる。この比類なきスーパースペシャルはシリアルナンバー入りで限定50個のみの限定生産。価格は、価格は62万ドルとのことなので、超円高時代であっても日本円で億は越えない。