世界で最も物価の高い都市トップ10の2023年版が発表
シンガポールとチューリッヒが同率でトップに
イギリスの定期刊行物『Economist(エコノミスト)』の調査部門である「Economist Interigence Unit(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット、以下EIU)」が、2023年度の世界の主要都市でかかる生活費ランキング “Worldwide Cost of Living Index(世界の生活コスト)”を発表。
「EIU」では、172都市で200点の商品と、それに付随するサービスを含めた400項目の価格帯を分析。高級品を含む高価格帯と一般的な低価格帯の両方の製品を考慮し、加えてニューヨークの物価を基準にしているため、ドルに対して強い通貨の国が上位にランクインすることが多い。
今年は、シンガポールとチューリッヒが同率でトップに。昨年6位だったチューリッヒは、スイスフラン高に加え、食料品、日用品、レクリエーションの物価が高いことから急上昇したと考えられる。また、シンガポールが1位となった背景には、交通費と衣料品が高額となっていることが大きい。昨年、シンガポールはニューヨークと同率で1位となっていたが、今年ニューヨークはジュネーブとともに3位に転落。さらに、香港は、トップ10に入った唯一のアジア都市で5位、ロサンゼルスは6位、パリは7位という結果に。加えて、テルアビブとコペンハーゲンが8位、サンフランシスコが10位となっている。パンデミック後の回復が遅れ、“消費者の需要が落ち着いている”都市は、北京のような中国の都市であり、今年は大幅に順位を下げた。
『CNN』によると、昨年と比較して、今年のインフレ率は鈍化傾向にあるという。その理由は、中国が2022年末頃に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の規制を解除して以来、サプライチェーンリスクが減少しているためだ。「EIU」の生活費調査責任者であるウパサナ・ダット(Upasana Dutt)は「利上げの遅れが経済活動、ひいては消費者需要に影響をおよぼし始めるため、インフレ率は2024年も減速を続けると予想している」との声明を発表。続けて、武力紛争や異常気象といったリスクは依然として懸念されており「イスラエル・ハマスの戦争がさらに激化すれば、エネルギー価格は上昇するだろう。また、エルニーニョの影響が予想以上に大きくなれば、食料品価格はさらに上昇する」と述べた。
トップ10の全リストは以下のとおりだ。
World’s Top 10 Most Expensive Cities of 2023
1. シンガポール、チューリッヒ
3. ニューヨーク、ジュネーブ
5. 香港
6. ロサンゼルス
7. パリ
8. テルアビブ、コペンハーゲン
10. サンフランシスコ